第3回:小役狙い打法 その1 2001年5月15日(火)

前回、通常ゲーム中の心得についてお話しした。今回は、「ドンちゃん2」の例を挙げ、通常ゲームにおける小役狙いの打ち方を説明したいと思う。それには、ドンちゃん2のリール絵柄がどのような配列をしているかを理解しておく必要がある。以下では、ドンちゃん2のリール配列と、各小役・ボーナスの配当を示す。

  

さて、前回お話ししたとおりチェリー絵柄は左リールに出現した時点で役が確定するものの、チェリー絵柄は左リールには2つしか存在せず、お互いの間は5コマ以上離れているため、適当打ちだと取りこぼしが発生する。ドンちゃん2における、正しい小役狙い打法での狙い打ち絵柄は、左リール7番の「HANABI」という絵柄である(以下ではこの絵柄をBARと呼ぶ)。正確にこの絵柄を左リール上段に狙うことができれば、全ての小役を取りこぼさずに打つことができる。なお、19番の「七」絵柄を左上段に狙う打ち方も悪くないのだが、目押しが遅いと「涼」を取りこぼすだけでなく、通常打ちでもリール制御によって「涼」を取りこぼす可能性があるため、気を付けていただきたい。続いて、左リール上段にBARを狙った場合にどのようなリール制御を受けて左リールが停止したかによって、中リール・右リールの狙いが変わってくるので、それを以下で説明しよう。

目押しが正確な場合、左リールの停止絵柄は基本的に以下の4通りである。

      

左から@、A、B、Cとし、確停止絵柄ごとの成立フラグと、中・右リールの狙いを示す。

 @左リール上段にBARが止まった場合(目押し通りに止まった場合)

確定フラグは、提灯・リプレイ・ハズレである。提灯とリプレイは中・右リールでの取りこぼしは存在しないので、適当に中・右を止めても全然かまわない。

 A左リール中段にBARが止まった場合(1コマズレ)

確定フラグは、4枚チェリーのみである。パチスロでは通常小役ゲーム中に2つ以上の小役が同時に当選することは絶対にないので、この場合提灯は揃わない。よって、中・右適当押しでOK。

 B左リール下段にBARが止まった場合(2コマズレ)

確定フラグは、2枚チェリーのみである。この場合もAと同じく、涼は絶対に揃わないので、やはり中・右リールは適当に止める。

 C左リールに「涼・リプレイ・涼」が止まった場合(4コマズレ)

BARをしっかり狙って、4コマずれた場合の確定フラグは、涼かハズレである。リール配列を見ると、中・右リールでは涼の取りこぼしが発生する部分が存在するため、中・右ではしっかり涼を狙うこと。打ち方としては、まず右リールの枠内に「七」か「ドンちゃん」を狙う。このように左リールが停止した場合、涼の成立ラインは右上がり型下段一直線型しかない。続いて中リールは、「ドンちゃん」を枠内に狙えば涼の取りこぼしはなくなる。なお、正確に狙ったのに涼がはずれた場合は、高確率でボーナス成立である。(鉄板ではない…ハズレフラグの場合にもこの絵柄が止まる可能性があるからである)

ここで、C成立時のリール停止の順序について、補足説明を入れたい。3つのリールを止める順序として、考えられる方法は全部で6通り存在する。しかし、左リールを最初に止めない方法は、必要以上のリール制御が行われないため、左リールでの取りこぼしが発生しやすい。このため、通常に左→中→右と止めた場合のリーチ目の信用度は全くなくなり(←基本的にリーチ目は小役ハズレの目が多い)、中リールや右リールを最初に止める打ち方(変則打ちという)を通常ゲーム中に行うメリットはひとつもない。では、なぜ左→中→右と止めないで、左→右→中と止めるのか?このような止め方をハサミ打ちというのだが、ハサミ打ちを行うことで確定役の成立ラインを限定できるのだ。右リールを止めた時点で涼が上段に止まるか下段に止まるかで、成立ラインを判別できる。上段に止まれば中リールは中段に涼を狙うし、下段に止まれば中リールは下段に涼を狙う。ここでリール配列を見ていただきたいのだが、中リールには涼絵柄が2つしか存在せず、ドンちゃん絵柄の上の涼ではずしてしまうと必ず取りこぼす。もし下段成立型の涼が確定していた場合に、先に中リールを止めてドンちゃんの目押しをミスすると涼を取りこぼしてしまうが、右リールをあらかじめ止めて成立ラインを限定しておけば中リールの目押しミスも減る。近頃のパチスロは、この通りハサミ打ちで打った方がやりやすい機種が多い。ハサミ打ちの利点は、確定役の成立ラインを限定できることと、通常打ち時の共通リーチ目(←ビッグ・レギュラー、どちらのボーナス成立時にも現れるリーチ目のこと。ビッグ確定の時にしか登場しない目はB確定目、レギュラー確定の時にしか登場しない目はR確定目という)が登場した場合でも、リール制御でのすべり方などである程度ビッグかレギュラーかを判別できる点である。

以上が、ドンちゃん2における小役狙い打法の打ち方である。ここで十分注意していただきたいのは、このうち方は左リールの狙いが正確である場合のみ信頼するに足ものだということである。左リールの目押しをミスした場合は一気に信頼度が下がるので、気を付けていただきたい。たとえば、目押しが正確ならばCの停止型からはリプレイは成立しないが、目押しが遅くてCの停止型が現れた場合は、リプレイが成立する場合も存在する。また、左リールにBARを狙っている以上、左リールからの小役取りこぼしはないが、中・右の止め方によっては涼を取りこぼす可能性があることも頭に入れておきたい。次回では、小役狙い打法β(左リール上段に19番の七を狙う方法)を説明したいと思う。

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