第1回:パチスロの基本 2001年5月9日(水)
さて、実際にホールに足を運んでパチスロを打ったことがないという方でも、パチスロというものがどういうものであるかというのはご存じだと思う。メダルを投入してスタートレバーを叩くと、3つのリールが回転する。ストップボタンを押して各リールを止め、ある特定の絵柄が揃うと、絵柄に対応した分のメダルの払い出しがある。特にボーナス絵柄と呼ばれるものが揃うと、ボーナスゲームに突入するというのが、ゲームの基本である。それならば、リールに描かれている絵柄を思い通りの位置で止めることができれば、パチスロなんて絶対負けないじゃないか…そう思われるかもしれないが、これは実は正しくない。なぜなら、リール制御というものがあるからだ。以下では、パチスロの筐体にメダルを投入してから、全リールが停止するまでの流れを説明する。
まず、メダルを投入し、スタートレバーを叩いた時点で、筐体内部のコンピューターでは該当ゲームで揃う絵柄(役という)を抽選する。基本的にパチスロは1枚から3枚のメダルで1ゲームできる。投入メダル枚数が少ないほど、該当ゲームでのメダルの損は小さいが、その分役の当選確率も落ちる。ではどれくらい差が出るのかというと、ボーナス当選確率で見ると1枚がけのボーナス当選確率が平均で約1/1200程度であるのに対し、3枚がけの当選確率は約1/250。長い目で見れば、明らかに3枚がけの方がボーナスを引く確率が高いのである。さて、話を元に戻して、リールが回転し始めて、一瞬のうちに役が確定しているわけで、それ以外の役を揃えようとしても、抽選結果によってリールの停止位置はコンピューターにより制御されるのである。したがって、どんなに正確にリールを止めても、抽選に当たらなかった役は揃わない。これがリール制御である。役の抽選は、小役カウンタや乱数取得など、様々な方法で行われており、基本的に打っている人が事前にその抽選結果を察知することは不可能である。では、もし抽選に当選した役が該当ゲームで揃わなかったとしたらどうなるのか?上に挙げたリール制御により、どんなに適当に押したとしても、ある程度はコンピューター側が当選役を揃えようとアシストしてくれる。これを引き込みと呼ぶ。この引き込みというアシスト機能は、止めた位置から最大で4コマ分までの絵柄に対して有効であり、それ以上上に位置する絵柄までは引き込んでくれない。というわけで、この引き込みも機能しない、5コマ以上離れた位置でストップボタンを押してしまうと、当選役を取りこぼすことになる。当選小役については抽選結果は該当ゲームにのみ有効なので、結局当選役の払い出し分を損するだけで終わり。この取りこぼしをできるだけ避けるための打法が、小役狙い打法と呼ばれるものである。これについては、後々別項で説明したいと思う。
それでは、もしボーナスに当選したというのに取りこぼしてしまったらどうなってしまうのだろうか?上の話から行けば、ボーナスを取りこぼしただけで、あ〜もったいない♪で話は終わってしまいそうだが、これはのっぴきならない話である。ただでさえ当選確率が低く、しかも大量獲得を望めるボーナスだというのに、取りこぼして残念でした、で終わっては困る。もちろんそんな馬鹿な話があるわけはなくて、ボーナスに当選したら、以後対応するボーナスが揃うまではずっとボーナス当選状態が続くのである。つまり、ボーナスだけは一度当選してしまえば何度取りこぼしてもボーナスチャンスが消滅することはない。ただし、取りこぼすということは、その分ゲーム数を無駄に消費することになり、メダルの無駄である。かといって、役の当選結果が打ち手にわからなければ、毎ゲームボーナス絵柄を狙っていない限りボーナスを取りこぼし続けることになる。というわけで、ボーナスに当選したことを打ち手に告知する機能がある。この告知機能の代表的なものがリーチ目というもの。リール制御によって特殊な配置で絵柄を止めることにより、打ち手にボーナス当選を告知するものである。その他の告知方法については、おいおい説明していくことにする。
さて、コンピューターの抽選によって何らかの役が当選することを、フラグが立つという。今までの話を簡単にまとめれば、小役のフラグは該当ゲームのみで有効だが、ボーナスのフラグはボーナスが揃うまで有効ということになる。ちなみに、何の役も抽選に当選しなかった状態は、ハズレのフラグが立った状態であるといえる。該当ゲームで何のフラグが立ったのかは、最終的にリールを全部止めた時点で判明する。ボーナスフラグが立っていればリーチ目が出るし、小役フラグが立っていれば小役が揃うし、ハズレフラグが立っていれば何も揃わない、適当な目が出る。では、小役フラグが立っていたのに取りこぼしてしまったらどんな目が出るのか。これは、取りこぼし目と呼ばれる特別なリール制御が用意されていて、小役を取りこぼしたことを打ち手に告知してくれる。ただし、この目はボーナスフラグと少し関わり合いのある目なので、ただ取りこぼしたというだけで軽視するのは避けた方がよい。該当役を狙っていたにもかかわらず、その役の取りこぼし目が出現したら、ほんの少しだけボーナスに期待してみた方がよいだろう。
最後に、ボーナスについて説明する。ボーナスゲームは基本的に2種類ある。まずは、スモールボーナス。これは、1枚がけの状態でスタートし、JAC絵柄を揃えることで払い出しがある。JACの払い出しは15枚が基本で、このJACゲームに8回当選すればボーナス終了。すなわち、(15−1)×8=112枚の払い出しを受けられる。スモールボーナス中のJACゲームチャンスは12回で、12回のうちに8回JACを揃えればよいのである。もっとも、JACゲーム中のJAC当選確率は98%ほどなので、めったにJACがはずれることはない。なお、12回のJACゲーム中で8回当選せずに終わってしまうことをパンクという。続いて、ビッグボーナス。これは2段階の手順にわかれている。まず、ボーナスに当選すると、小役ゲームに突入する。これはいわゆる、普通に3枚がけで回してリールを止め、当選役を揃えるもので、このときJAC絵柄が当選すると、スモールボーナスに突入する。小役ゲームチャンスは30回で、30回のうちに3回スモールボーナスを引けば終了。なお、小役ゲーム中でJACが揃い、スモールボーナスに入ることをJACインという。また、30回の小役ゲーム内で3回JACインできずに終わることをパンクという。30回の小役ゲーム中、3回のスモールボーナスを即入れした場合の払い出し枚数は、(112−3)×3=327枚である。ただしこの数値は、ビッグボーナスで期待できる最低ラインの払い出し枚数であることに注意。実際には小役ゲームでの小役当選やJACインボーナスなどの払い出しがあり、平均的なビッグボーナス時獲得枚数は350枚ほどである。このとおり、スモールボーナスでは技術に関係なくほぼ一定の収入が見込めるが、ビッグボーナスでは技術介入により獲得枚数が変動する。この技術介入については、別項で説明したいと思う。
以上が、パチスロを打つ上での基本的知識である。次回からは、やまきが近頃好んで打つ「ドンちゃん2」という機種を例に挙げて、もう少しつっこんだところを書いていこうと思う。最終的には、やまき的なドンちゃん2攻略なんかも書いてみたいと思う。
☆今回のまとめ☆
1:パチスロは、自分の思い通りの小役を揃えることは事実上不可能である。
2:役当選確率からいって、1枚がけよりも2枚がけ、2枚がけよりも3枚がけがベター。
3:ボーナスフラグが立ったら、すぐに察知してボーナスを揃えよ。